秋の味覚といえば「銀杏」です。
素朴な苦みと独特の触感、お酒のあてにはピッタリですよね。
毎年この季節には銀杏を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
ですが、銀杏は食べ過ぎると中毒症状を起こしてしまうため、気を付けなければなりません。
独特のニオイを放つイチョウ
銀杏はイチョウの木になる実です。
ぎんなんもイチョウも漢字で書くと「銀杏」と書くことからもわかりますね。
銀杏はイチョウの実の胚乳種の部分です。
イチョウのみは大きなサクランボのような見た目をしているのですが、
この実の中にある硬い殻のなかに、銀杏が潜んでいます。
居酒屋なんかで提供される銀杏は、殻がついているものもありますよね。
なので、自分で銀杏を拾ってきても、食べるまでにはかなりの下準備が必要になります。
街に落ちている銀杏も独特のニオイを放っていますが、下準備とならばさらにきついニオイが襲ってくるそうです。
ちなみにイチョウの木は庭があれば家でも栽培可能ですが、銀杏の実がなるまでには20~30年ほどかかるそうなので、おとなしく購入するのが無難でしょう。
銀杏の食べ過ぎには要注意
落ちてるときはニオイがきつい銀杏ですが、お酒のあてとしての銀杏は最高ですよね。
軽く炒った銀杏は香ばしさの中にじわっと来る苦みがあり、独特の触感もあってついつい手が伸びてしまいます。
またビタミンCやカロテンなども豊富に含んでおり、なおかつカロリーも低いため、とてもヘルシーな食品でもあります。
ですが、銀杏の食べ過ぎには要注意です。
銀杏には中毒性があり、食べ過ぎてしまうと嘔吐やけいれんなど、さまざまな症状が現れることがあります。
目安となる個数は成人で40~300個、子供で7~150個。
やや幅がありますね。
この中毒症状の原因は「4-メトキシピリドキシン」という成分です。4-MPNとも表記されます。
この4-MPNはビタミンB6と構造がよく似ているのですが、そのせいか本来はビタミンB6が結合しなければならない場面で4-MPNが出てきてしまい、ビタミンB6欠乏症を引き起こしてしまうのです。
この症状がおこるかどうかは、体内にビタミンB6がどれだけあるかによって変わってきます(また基礎疾患によっても多少変化します)。
目安となる銀杏の個数に差があるのはそのためですね。
中毒症状になると、先ほどの紹介したように、嘔吐やけいれんが起きます。
それ以外にも、呼吸困難になってしまったり、意識がもうろうとし始めたりすることも。
こういった症状がみられたらすぐに病院へ行ってください。
この中毒症状はたいていの場合24時間以内には回復するのですが、命を落としてしまったというケースも(かなり稀ですが)報告されているので油断はできません。
くれぐれも食べ過ぎには注意してください。
あとがき
秋になると食べたくなる銀杏。
お酒を飲みながらだとついつい手が伸びてしまいますが、食べ過ぎないように気を付けながら楽しんでください。